2023年02月28日
暗くと共に
ある人が「日本人ってほんと暗いの好きだよなあ」と言った。
とある「調性短調主流ヒーリングテイスト作曲家」の作品集をやりながらのこと。確かにずしっと重めで深刻な雰囲気が全編漂う。
この発言の価値観には様々意見があるだろうが、日本人がもし、少なからず暗め好き民族なのだとしたら‥‥
世界には現実が日本よりよっぽど暗く深刻な国や地域は沢山ある。戦争や差別、貧困や犯罪に、たった今も苛まれている人々はとても多いはずだ。
そんな人たちが、この暗めの音楽を好むかどうかは疑問。もしかしたら聴きたくないかもしれない。少しでも明るい音楽と共に暮らしたいと。
ではそこまで実生活が暗くない日本人がそれを好むのだとしたら、
戦後80年弱経ったとはいえ、敗戦と戦後の焼け野原を経験した国民として、それを一刻も早く忘れたくて忘れたかのように明るく生きる毎日の中で、本能がその暗さや深刻さ、辛さを決して忘れないようにと求めているのかもしれない。
東日本の被災地に対する思いも同様。
少なくとも僕はその手の音楽は嫌いではないし、彼のように「暗いのを求める国民」を揶揄するような気にはなれない。
「お前暗いな」と人間性を評価されたくないのも確かですが。
posted by take at 11:34| 活動報告