2022年11月25日

音の快感


演奏を聴いて後々まで記憶に残る好印象。

作品の魅力や華麗なテクニック、素晴らしい音色等様々なポイントがあると思うが、それらが残る瞬間には聞き手になんらかの「快感」が訪れているはずだ。

つまり音が放つ快感が、聞き手に悦びを与えるということ。

それは美しさだけに限らない。張りや艶もだし、伸びやかさを感じるスピード感、脱力の心地よさもあるだろう。

演奏家は、それら多種多様な快感を表現できる音そのものを、先ず持たなければならない。

その多くが自分から自然と発せられるにこしたことはないが、憧れというのはやはり聞き手として体験し、感動したというプロセスから生まれてくるのがほとんどだ。

どのような快感を知っているのか?

そしてそれがどのくらい多くの種類持ち合わせているのか。

もし自分のやり口として限られたものしか持ってないとしたら、役者が「何やっても○○(役者の名前)だな」と言われてしまうように、決して高くは評価されない。

聞き手から好まれる演奏家とは、その人なりの個性がやり口として前面に出ながら、よく聞くと「快感の種類」が多いことに気づくことができる。


音楽性とは素晴らしい印象が残せる能力。それは何気に、音が放てる快感の力量、そして種類の多さだったりする。

posted by take at 17:07| 活動報告