2020年08月07日

あの頃のメランコリー


僕はショパンが嫌いではない。

好きなんですが、若い頃聴き込みながらずぶずぶ感情の沼にはまっていた頃と比べると、今は少し冷静に聴いてしまうというていたらく。

思い出もたくさんあるので特定曲でおセンチになったりするが、バラードなんかを聴いてても涙するほどにはならなくなってしまい‥‥いけませんねえ。

これでも人生が現実的に理解できてきたことと、未来に対してはじめあらゆる不安が減ってしまったことが、あの若き日々の囚われの身のようなもがきを奪い去ったようにも感じる。なくなっちゃあいないが、しかしショパンのさ迷うようなメランコリーが「僕の人生を描いた感」は減ってしまった‥‥いけませんねえ。

もう少し年齢を重ねるとまた変わるかもしれない。ショパンに惑わされない、揺らされない自分というのは嫌ではあるので。


あるドラマを見ていたら流れてきた音楽がショパン風で、画面の中の若者がそのメランコリーに揺り動かされるが如くとても辛そうで‥‥

本当に苦しいのは嫌は嫌なのだが、心のどこかで少なからず羨ましい気持ちにもなり‥‥いけませんねえ。


posted by take at 18:23| 管理人よりお知らせ