2019年12月11日

未来の唯一


「最期の最期、人間しかやれない唯一って演奏じゃないですかね」


AI社会が極まったらの話、とある中堅演奏家が僕に呟いた。

考えてみると、確かにほとんどのことはAIや更なる進化を遂げた機械ができそうだと妄想できるが、楽器の演奏は……無理だろうなあ。特に弦楽器と管楽器。

最近またニュースになっているスポーツ界におけるドーピングも、演奏の世界には無力。薬物を使っても演奏は素晴らしくならない。

機械だめ、薬物だめ。人間がこつこつ努力して極めないと、求められる、心に響く作品にならないのが音楽の演奏。

それを考えれば考えるほど、音楽とその演奏とは人間の存在にもっとも近いものなのではないかと思う。

近代社会を象徴する、生活を彩る「便利さ」とも無縁。

そう考えると存在というか、心という説明つかないものそのものなのかもしれない。耳から人間の中に入り、唯一人間と一体化するものというか。


いずれにせよ、音楽も演奏も棄てないだろう人間は、いつまででも自分の手でなし得ていくしかない。

僕も楽聖たちも。そんな唯一を選んだのだ。


レッスン、N響定期

posted by take at 22:16| 活動報告