2018年05月17日

大勝軒物語


大勝軒といえば、泣く子もニヤける元祖つけ麺老舗最強ブランドだが、その川越店はなんこやにある。

僕が東邦に通い始めてしばらくして出店され、その後代替わりし少々味は変わったものの、大勝軒らしい甘酸っぱ辛い汁に普通盛りで350グラムというパワフルな麺を提供。車での来客もかなりあり賑わっている。


ある日カウンターで僕が麺を待っていると、恰幅のよい、しかしかなり御高齢と推察するじいちゃんが来店。大きめのひふみんってな見た目。


そんなお年でここのつけ麺いくのか……


足元おぼつかず、ふらふらしているので余計そう思った次の瞬間、じいちゃん、まだ席に座る前、歩きながら厨房へ向かって叫んだのです。


「もりそばと餃子、汁は少し薄めっ!!」


おぉ、常連さんでしたか。彼からすると、僕の方が全然ぺーぺーなんでしょう。失礼致しました。


しばらくして、おかみさんがもりそばの汁と餃子用の醤油をじいちゃんのところへ。すると

「醤油はいらん。わしら常連は、山岸さんの時代から、つけ汁に餃子入れとった。二代目の〇〇さんときも。みんなそうやって食べたんや」

ここの店の常連というわけではなく、あちゃこちゃ食べ歩くベテラン風来坊つけ麺師なのか?

おかみさん、麺食らう店で一瞬面食らっているが、直ぐににこにこし

「そうですか、もうしばらくお待ちください」


山岸さんとは、麺界では誰もが知る大勝軒の生みの親、故山岸一雄さんのこと。全ての大勝軒出店者にとって父親であり、かつ神みたいな存在だろう。

年齢的にも近そうなじいちゃんは、旧友感たっぷりな空気を一気に店内に醸した。


旧友ひふみんの前に、ついにもりそばと餃子が揃う。

いきなりがっつり麺を持ち上げたと思ったら、なんと汁に浸けず麺だけをずずずずず。麺のクオリティからか?やはり、隠れ査定人なのかっ??

そしておもむろに餃子を二個汁に放り込み、汁が染みるのを待つためか直ぐには食べず、つけ麺を何口か。餃子を挟みながら、もくもくと350グラムを食べ続けたのでした。


僕には80歳は軽く超えているように見えたじいちゃん。ある意味緊張感をもって、その言動をチラチラ見してしまったのだが、あまりいないであろうそのプレミアムな存在に、いつになくエキサイティングな感じさえ覚えたのでした。


問題はひとつだけ。

じいちゃんが気になって気になって、気がつくと自分がほとんど味わえてなかった。

じいちゃんはやるだけやって大満足気で大勝軒、僕は大敗軒になったのでした。


川越へ

posted by take at 12:53| 活動報告