僕はレッスンで、曲のあらゆるディテールに関して細かく指定するような教え方は苦手です。
「ここはもう少し速く」とか「もっと大きく」、「もっとこういうふうにクレッシェンドして」等
そうなると演奏がより音楽的に魅力的になる、プロなら当然そうするということでも、具体的にそれを指示するのは得意ではありません。
というか、たとえそれが正解のようなことであっても、心のどこかで具体的に教え伝えやらせるべきではないと思っています。
そう伝えるレッスンが多いのは知っています。そうやって「正解を教える」ことによって、それを身につけ真っ当な演奏家に成長してほしいということなのだということもわかっています。
しかし僕にはどちらかというと
「なぜそうあるべきことをしないのか、できないのか」
の方が重要で、しないできないにはそれなりに理由があり、その問題点こそを改善して欲しいという気持ちが強い。
最終的には真っ当な表現は「自分で!」できるようになってほしいと思っているのです。
正解を具体的に細かく教えてしまうと、自分ではそれができない人間になってしまうとすら思っている。
そんなレッスンなので、僕が「なぜできないのか」が正確にわからないと先はは進めない教育になってしまっている。
問題は僕自身の方にあるのです。