2023年09月02日

ふかおも〜


もうひとつ。

「最近の指揮者は軽い!」という文句はあっても「最近の指揮者は重い!」という文句は皆無であり、「表現がない!」や「浅い!」はあっても「深い!」という賛辞はほぼ聞けない。

まとめると「ゆったりと重々しくて深い」という褒め言葉になる人が見られないということになる。

僕が個人的に一番「そーなのかー」と思うのはワーグナーで、あの方の音楽というのは「透明度高く美しく」というよりは、圧倒的に「重心が重く、表現は深く」だと思うのですが、世界的に見てもそうやってくれてる感じがほぼしない。まあそうしてしまうと、ただでさえ長いオペラがもっと長くなってはしまうのですが。

せめて管弦楽曲みたいな単品ではそうして欲しい希望がある。


なぜ軽くなってしまったのか?

音程感が明晰になり、美しく濁らずハモることを重視した結果、伸びた音に奥行きこそを求める人が減ったからではないかと思う。

オーケストラの精度が上がる、指揮者のまとめ上げる精度が上がるのはいいのだが、フランス物はともかくワーグナーはやたら重くて深い、という人が出てきてもいいと思うのですが。

これは昭和のジジムジカーの時代錯誤的戯言になるのかなあ?

posted by take at 18:21| 活動報告