ウォームアップという言葉を正確に理解すれば「トレーニングや本番の前にやる、予備運動」ということになる。
しかし私たち演奏家にとっては
ウォーミングアップ=基礎練習
という人が少なくない。
「ウォーミングアップを教えてください」と言われると、自分がトレーニングとしてやる基礎練習のパターン(口や口周りをほぐすことが兼ねられているもの)を言うことになる。
N響の仲間たちと話していて、そういう意味でウォーミングアップがどれくらいの時間必要か?という話になった。
とあるプロオケマンの話しとして、オーケストラの練習前にはウォーミングアップは無しでいきなり。終わって家に帰ってから基礎練習をするという人がいるとの話も聞けた。
これはかなり特殊なパターンだろう。
しかしウォーミングアップであろうがなかろうが、基礎練習自体が好きだという気持ちは実は大事なのだと思う。
いろんな基礎練習のパターンを考え進化させながら、自分を向上させていく。
そういう意味で、僕の周りの一流演奏家には「基礎練習が好きなんだろうなあ」という人がほとんど。
基礎練習こそ、自分の根本が成長することに貢献する。それがあまり好きじゃないということは、向上心もさほどではないとなる。
楽聖たちにも、基礎練習が好きであることを期待したい。