人間の能力的に、自分の背中を見ることは困難だ。普通に目線を真っ直ぐ正面に向けていると、正面含め自分の姿のどの部分も全く見えない。
しかし他人からは全て見えている。自分では見られない後ろも、他人は簡単に見る事ができる。
だから服含め自分を覆う物全てと、見えてしまう体の部分は全て、見られても大丈夫なように清潔に整えなければならない。
自分には見えないから背中には虫食いの穴が開いていても平気、とはいかない。
演奏も同じ。
吹き始めたら、吹く事でいっぱいいっぱいになり、いろいろ聞こえなくなる。たとえば、音の最初は聞けているが処理のところは聞けてない。吹き始めてコンマ何秒か後から書こうとする‥‥
どれもダメだ。
なぜなら、他人にはその演奏の全てが聞こえているのだから。
私たちは出している音の全て、その隅々まで見つめ、聞こえ、理想を持って整えきらなくてはならない。