だからといって「ミスがあってもいい」「ちゃんとしてなくてもいい」とはどうしても言えない。
同時に、演奏家がひとつのミスで自分の出来を過小評価したり、なんなら人生の時間、記憶と共に引きずったりするのに比して、聴衆がそのことこそを記憶していたり、それのせいで演奏全体が不満だとの評価が残ってしまうことはまずないだろう。(もちろん程度問題で、ミスだらけなら残る可能性もある)
やはりわかっておくべきことは「本当になければならない要素、必要なこと」だ。
「演奏家が情熱的に取り組んでいる」あたりは答えっぽいが、やはり趣味趣向も絡んできて万全ではない感が一番とは言えないのかもしれない。
今の段階で僕が思う一番は
「その音楽のテイストが出し切れた演奏」
ではないかと思う。
カッコいい曲なら文句なしにカッコよく聴こえる。美しい曲なら極めて美しく。心に染みる場面なら、本当にググクッと染みてくるように。そんなある意味単純な価値観。
カッコいい曲がノーミスで完璧だけど、さほどカッコよく聞こえないとしたら、主眼のズレが生む失敗ではないだろうか。
演奏家は、とにかくこのことを一番意識してやるべきなのではないだろうか。
2023年03月02日
一番聴きたいもの その2
posted by take at 12:25| 活動報告