基本私たち金管奏者というのは、タイミングが遅くなってしまうことが多い。
特にトロンボーンなんぞ「指が回ってすべってしまう」ということとは無縁で、タイミングはどんどん遅くなり‥‥
もし寸足らずのように滑ると人がいたとしたら、それはビート感の無さが問題で、そんな人はどんどん遅れていったりもする。
原因は唇の反応に時間がかかるというのが最もメジャーだが、実は
「見積もりミス」
ということもある。
メトロノームで、特に速いテンポの中に細かい音を入れようとしたときに顕著なのだが、「これくらいだな」と思って舌を突き始めたものが、大抵正解より遅いことが多い。むくんでいるのだ。
だから思っているより速く付く。それで初めてカウントとずれずに終われたりする。
これは唇の反応の遅さだけではなく、スピードの見積もりミスになっているのだが、たとえば3連符の場合、カウントとカウントの間を3分割するのではなく、次のカウントに三つ目が来るように感じてしまうことがあるのかもしれない。
16分にしても、5回目のタンギングが次のカウントと合わなければならないのだが、4分割だから4回目と勘違いしてしまうのかもしれない。
いずれにせよビートにきちんと乗り、正確な割り算ができなければならないわけで、それができなければメトロノームともずっとずれたままきがつかず演奏していたりする。
見積もり名人にならなければならないということだ。