2022年11月03日

ちゃんとしない?


日本人は「ちゃんとしている」ことを特に美徳とする民族。

その「ちゃんとしている」だが、これは言い換えると「大多数における平均的必須常識」とも表現できると思う。

方や「個性」とは全く逆の「唯一無二」となる。平均的なんてテイストは欠片もない。

ということは「個性とは、ちゃんとしていないことだ」とも言えないだろうか?


僕らはよく「ちゃんとした上での個性」を求めるが、これはそもそも無理があるのかもしれない。というか、それではたとえ醸されたとしても、表現における個性の部分が小ぶりになってしまうはずだ。

実は私たちは、大胆で大きな個性に出会ったときこそ感動する。

乱暴な意見で怒られるのを承知で書くが‥‥

僕の世代の若い頃のアイドルはミシェル・ベッケさん。僕個人としては、上京と初来日がほぼ同時期であり、影響を受けずにはいられないくらい圧倒的だったが、他の名演奏家と比べあまりに自分達とスタイルが違ったのも事実。パリのクァルテットの中でも「1人変わっていた」。

そして、音大生学習としては「ちゃんとしていない部分が多かった」のも確か。

特にリズムなんて、とても正確とは言えなかった。ただ正確にできないというより「どうしてもそう吹きたい」のだろうことははっきりしていたし、だからといって評価が下がるというより

「だから素晴らしい」

と思わされた。

ちゃんとしてないことが素晴らしかったのだ。

さあ、どうしよう?

どうする?

posted by take at 17:37| 活動報告