2022年10月26日

五感の差異


視覚から入る情報は8割を超え、聴覚からは1割に満たない。

この現実は、音楽をやってきた僕にはかなり特別な知識となり、新しい考え方を導き始めている。

もちろん五感のあれこれは、そのどれかに集中することでこれらの数値は変わってくるだろう。しかし目を開けて鑑賞している限り、どんなに音楽に集中していてもいくらかは視覚からの情報に持っていかれているのだと思う。

昨今はCDのように音だけで鑑賞するのではなく、映像付きの動画を見ることが増えた。その方が演奏家の動きもわかり、より理解が増す気がしていたが、もしかしたら演奏を聴くことの情報量は少し目減りしているのかもしれない。

映画なんかも映像と音楽を同時に受け取るが、やはり圧倒的に映像からであり、音楽は「その後ろで鳴っている」という印象。映像の印象を膨らますことはあっても、音楽の隅々までを聞くことはまずない。もし真剣に音楽を聴き始めたら、映像はぼやけてしまいその内容を理解できるほど見えることはなくなるだろう。


問題は、私たちが演奏家として、音を仕立てることに最善の策がとれているかどうか。もしかしたら、かなり無駄と共に進んでいるのかもしれないと思い始めていることだ。

百聞は一見にしかず

「何度も聞くより一度実際に自分の目で見る方が勝る」というこの言葉に、なんの疑問も持たないできたが、考えてみたら

「見ることは聞くことの邪魔をする、覆いかぶさり薄めてしまう、聞こえなくしてしまう」

ともとれるのだ。

posted by take at 18:23| 活動報告