2022年09月17日
一番美しい大きさ
あるときN響のチェロの大御所が、
「一本のチェロと一本のトロンボーンの音量を機械で計測したら、数値的には何倍もちがうんだよね」
とのたまったことがある。
‥‥測ったのね、比べたのね。
たとえばそれぞれがfで演奏した時の音量の差とかの話でしょう。そのときは「うるさくてすみません」と思いながら「だから向こうが10人で弾いても、こっちが3本で吹いたらとてもデカイという話になるのか」と。
最近「無理をしない練習」というのを心掛けている。具体的にいうと、小さな音量でのトレーニングが主になっているということだが、ピアノを吹きながらふと
「もしかしたら数値的にはこれくらいがチェロのmfと同じ大きさかな?」
と思う瞬間がありました。
そして「一番美しい音色とはこれくらいなのかも」と。
どの楽器ももちろんあらゆる音量が美しくなければならないのはそうだし、ニュートラルな音量というのは差が出てくるとしても、
「人の耳に一番美しい大きさというのは数値として同じくらいかもしれない。その大きさを理解し、それが大小散りばめられるということが大事なのでは?」
と思ったのです。確信はないけどなんとなく。
で、チェリストの嘆きを思い出す。
‥‥気をつけよう。でかきゃいいっちゅうもんじゃない。
posted by take at 07:36| 活動報告