2022年09月13日

順番の勘違い


よく思うことだが、優れたプロの演奏家であればあるほど、初見からとても様になった演奏をする。それが新曲で、音源も一切なくても、楽譜を初めて見て初めて吹く時からそれらしく演奏したりする。

これは、練習であろうがいついかなる時であろうが、最初から表現こそをしようとして取り組むから。その取り組みが、楽譜の記号からきちんとそれらしいニュアンスを引き出してくるから。


学生に多く見られるのは、とにかく楽譜をさらっていきある程度できるようになると、そこからやるべき表現が見えてきてできるようになると思っていること。実はそれではたいした表現にはならないし、楽譜の再現の域を出ない。

技術がついて来れば表現もできるようになると考えることも同じ。そうではなく、表現したいこと、その意欲は最初からあり、それを目指して練習するのが必要な道筋。

これは順番の勘違いという、何気に多いパターン。余裕というのは最初から備わっているのではなく自分で自分に与えるものだという、私たちが勘違いしがちなことに似ており、ここが的確になることこそ、成長や成果には不可欠だと考えます。

posted by take at 10:01| 活動報告