2022年09月30日
学舎に感謝
34才で初めて大学で教える依頼を受けたとき、とてもとても嬉しかったのを覚えている。
「僕も大学の先生ができるんだ」
いつかはやれるのかもと思ったりしてはいたが、実際に話をもらうと、人生が大きくステップアップできた気がして無条件に嬉しかった。
実はその後もいくつかお話しを頂いたが、お断りしたこともある。短い契約で始まりそのまま終わったものも。結果東邦と沖縄県芸、高松一高だけがライフワークとして残った。
昨年こんな年齢なのに有り難くも新しいお話しも頂いたが、スケジュールの関係もありまたまたお断りしてしまった。おそらく僕のキャリアでは、最期の依頼だったのではないかと思っている。
あのときあの若さでスタートしてからこの数十年の間、拝命していただいたことに関して、ゆっくりと気持ちが変わってきた。
最初はただただ嬉しくて。でも誇らしさと責任感と、後の全ては好奇心で気持ちは埋まっていた。
若者と接するのは(自分も若かったが)とてもエキサイティングかつ厄介で、怒涛のように時間が過ぎていた気がする。
どんどん入れ替わる若者たちと常に格闘しながらも、ある程度パターンを経験すると慣れていったこともあり、途中長く「先生という立場が当たり前」という時間だった。
そしてここ数年。
オーケストラ奏者をやりながら、大学で教える立場にいさせてくれること、本当に有り難く、感謝の気持ちでいっぱいになっている。
多くの人が憧れている立場でもあるのだと思う。それくらいやり甲斐と責任と、そして素晴らしい価値がある立場だ。
東邦音大と沖縄県芸、高松一高には心より感謝してもしきれない。
posted by take at 16:16| 活動報告
2022年09月29日
2022年09月28日
2022年09月27日
潜在意識の世界
とあるドラマに出てくる男性は、普段の言動、社会における人間的イメージ、恋愛中の女性への対応も全てにおいて完璧。
「そっか、こう判断しこうすればいいのか」。そして女性に対して「こう言えばいいのか」ということばかりが散りばめられており、会社の評判はもちろん、彼女の幸せ度ったらずっと上がりっぱなし。
そりゃそうだ。
しかしふとしたことから、彼女の不安を払拭する反応が出来ず、それまでが完璧だったために致命傷となり、恋愛は急展開で終了してしまう。
新しい女性が現れ、少なからず揺れてしまったのがきっかけだが、その際彼の心の中にある潜在意識が描かれる。そのフィールドは、完璧な彼とは到底似つかない、荒れ果てたブラックテイストの世界だった。ただ潜在意識なので、本人は自分の中にそんな邪悪な意識があることは気づいていない。
一緒に見ていた家人がつぶやく。
「やっぱりね。同じ素直でも、大抵は失敗したりするもんよ。あれだけ完璧ってことは、心の内面に何かしらがあり、いろいろ知ってないとそうはならない」
「でも、あれだけ優しくて、本人も素直に努力しているだけだね」
「そうね、でも潜在意識に何かしらあるから、完璧に振る舞えるのよ」
なるほど。まあ生涯潜在意識の中にあり続け、出てこなければ、周りも気づかなければ問題ないんだけどね。
でもやっぱりほころびが出るのが人間。完璧なんてないですね。
posted by take at 13:04| 活動報告
2022年09月26日
シベリウス第1番あたりのお話し
次回のブロカートは、オーケストラが僕のリクエストを受け入れてくれた形。シベリウス祭です。
後半は交響曲第1番。
僕より丁度100歳年上の1865年生まれの彼が、1899年34才のときに発表したものですが、何気にいくつかのエピソードが面白い。
この前年、1898年にベルリンでベルリオーズの幻想交響曲を聞いてたいそう感激したそうで、それも創作意欲に繋がるものだったのではないかと。天才と天才のハイブリッドが感じられ‥‥
なんだけどこの頃の彼は酒浸りだったそう。しかも浪費癖となり、自堕落きわまりない日々を送っていたという、
作品からのイメージとは随分違います。
でもこれを書き始めてからはさすがに酒も葉巻も控えて真面目に取り組んでいたそうですが、長続きしなかったようで、挙句の果てに飲酒乱闘騒ぎも起こしたそうなんです。
まあ、人間っぽいっちゃあそうなんですが、随分作品のイメージと違うエピソードですね。
まあね、演奏家も、あんなに素晴らしいパフォーマンスだったりしても、私生活ムムムッだったりするもんね!
posted by take at 21:07| 活動報告