2020年02月22日

金属音を響きに


楽器のクオリティが上がった現代において、あの頃には散見したが限りなく少なくなった症状として、音がムーッと詰まっているというのがある。

逆にボーッと締まりのない音は増えた印象。それは不快な音というよりは、魅力に乏しい音。

つまり現代は、不快な音は出しにくいくらい楽器は楽に吹けるようになったと共に、普通の魅力を超える特別な美しさ、真の魅力を探す時代へと突入した。


金管楽器は、音が金属的にならないように、ブラッシーにならないようにと要求され、多くの人たちが響きや割れ方含め、柔らかい心地よさを目指してきただろう。

昔の僕こそが、その感覚を履き違え、ぼやけてくすんだ音になっていた。柔らかさだけを求め過ぎ、息の流れる向きが拡散してしまうとそうなってしまう。

実は、ある意味金属的印象の部分、それは「硬い」という意味ではなく、金属的響き方


♪ヒーン ♪ビーン!


という成分は、音の中に存在していた方がいい。それが金管らしい快感成分であり、木管や弦楽器には無い部分。そういう意味で弦楽器の音のように、木管楽器の音のようにとは、求め過ぎない方がいい。

そのためには柔らかさを求めつつ、息の方向性にははっきりとぶれない一貫性をもち、引き締まったようなキャラクターを作ることが大事だ。


ラッパはラッパらしく!を理想のどこかで忘れない。

実は金管奏者以外の演奏家も、私たちにそれを望んでいたりする。弦楽器らしく、木管らしく、声楽らしくと音や表現を研究するのはいいのだが、金管にはちゃんと金管らしくいてほしいと。


高松一高レッスン

posted by take at 17:24| 活動報告