2020年02月13日

美しさの研究


ベルリンフィルのシュテファン・ドールさんが、久々に来演しています。アブラハムセンのホルン協奏曲の初演シリーズの一環。世界初演は、1月末ベルリンでありました。


ベルリンフィルの首席は、かつて在籍していたバボラークとドールが複数回来演しています。

2人共に、世界最高峰オーケストラのソロに相応しい素晴らしいホルンを聞かせてくれます。毎回強いインパクト、様々な印象が残ります。


バボラークは、完璧ともいえる技術やイントネーション、もちろん音楽性と共に、日本人が目指しがちなものとはかなり違うその音やスタイルに、常に驚きをもって唸らされる。とにかく安定と安心感が凄い。

ドールは、ドイツに向きがちな日本人としては、馴染む感じのスペシャル高品質。

今回は、彼の全ての素晴らしさの中で特に


美しいなあ……


というのが、溜め息と共に。

たとえば、音や響きがとても立派で「いい音だなあ」と思わされる演奏家は、日本含め世界中にいる。また技術的に長けており、弦楽器や木管楽器のようなニュアンスも音にのせられ、音楽的に歌える名手もいたりする。

ドールは、もちろんそれらを兼ねながら、とにかく美しく聞こえる。

本来ホルンは柔らかく美しい音だが、そこそこからまあ美しいまでがあちこちで聞かれる現代において、とにかく美しく感じられるというドールを基準にすると、大半は「いい音」「巧い」の範疇に収まってしまう。


一体どの部分が?と、あらためて研究。出た結論としては


極めて反応良い振動からスタートし、密度が高いがゆえに明るく柔らかく聞こえる音が、驚くほどスムーズに流れている息によって、解放され響いている。美しさに必要な透明感の反対は雑味なので、それが聞こえてくるような力みや抵抗、ノイズがないくらい、スムーズと解放が、豊かな響きの上に透明な艶という美しさをコーティングしている。


という感じだろうか。

どの楽器においても美しく聞こえる原因は同じなのだろうと、深く考えさせられた。


N響定期練習

posted by take at 17:43| 活動報告