2019年08月01日

国王の嘆き


戦乱の時代を生きる国王の嘆き。

有能ゆえに次から次へと城を陥落し、国民から絶大な支持を得る忠臣将軍。国王である自分より英雄視される彼に対する嫉妬に、心が支配されてしまう。


将軍は勇気に溢れ戦略に長けているだけでなく、人間として実直であり、愛する家族を大切にする。国王や国民に対する忠臣であり、信念も判断もぶれない人物。

片や国王は、私利私欲と大義の間で揺れ動いてしまう性格で、結果手に入れるためには人の道から外れてしまう選択をし、ゆえに苦しみ続けるタイプ。


「なぜあやつは人の心を掴めるのだ。魚は釣ればいいし鳥は射ればよい。人の心はどうすれば手に入るのだ?」


手に入れる方法を考えてしまう段階で、もう無理なのだろう。客観的に見ていると状況も理由もよくわかる。

人からの支持や愛は、自分の意思で得られるものではない。自分の生き方に対する通信簿のようにも見えるが、それは自己犠牲とも言える周りへの愛と、道を外れない信念を持ち合わせているかにつきる。


「たしかに王様は善政を努めてきました。しかし独裁による善政はあり得ません」


勇気ある家臣の言葉も、傷つきながら受け止めるのが精一杯。


「しかし私は……(そうするしかなかったのだ)」


言い訳にしかならない心の声から、もう若き日から既に、根本的に判断を間違えてきたことがわかる。

そりゃ国王としての苦しみは、国王になった人間にしかわからないだろう。それでも一人の人間として、一人の人からの信頼と愛、敬意を望むなら、「そうするしかなかった」ではなく「どうしてもそれだけはできなかった」こそが必要だった。

「そうするしかなかった」の積み重ねではなく「どうしてもそれだけはできなかった」こそを繰り返すべきだったのだ。


休日
絶対そうするしかないという唯一というのは、存在しないのかもしれない。

posted by take at 12:08| 活動報告