2019年05月14日

人間のハードル


1900年代を代表する巨匠とオーケストラのとある演奏録音を聞き、いたく感動する。

耳をこらすと、音程もアインザッツも精度高くは合ってないし、バランスも良いとは言い難い。

ただ、1人1人の演奏家の渾身の音が、全体をメッセージ性の強いものにしている。

同じ曲を2000年代の同じオーケストラのもので聞く。

それはそれは見事に整っており、ハーモニーに一点の曇りなく、アンサンブルも見事。美しく力みのない響きが広がり、自然な流れ。正確な音程は、本来のハーモニーはこれかと感じさせ、その上歌もある表現がなされている。

とにかく上手い。



………感動しない



上手くなり損、素晴らしい演奏し損じゃないかと思ってしまう。


だったら下手でもいいじゃん……とはいかない。下手でいいという話はどの時代もない。上手くなくてはならないし、上手く演奏しようとしなければならない。

ただ、本物の感動に必要なことは、必須である上手さや精度とはまた別のところにあることをなんとかして理解し、実践しなければならない。


少なくとも練習時はともかく、本番で「上手く演奏しよう」というメンタルでは、感動してもらえないことは確か。


人間ってなかなかに厄介で、とにかくハードルが高い。


大塚へ

posted by take at 21:01| 活動報告