2019年05月11日
高嶋圭子
「豪雨災害復興支援コンサート」出演のため広島に来ました。
地元のトロンボーン奏者たち、ユーフォニアム奏者、高嶋圭子さんのピアノによるコンサート。
曲は全て高嶋さんの作曲ないしは編曲作品。
僕はソロからデュエット、全員でのアンサンブル等、いろんな編成に参加。作品の素晴らしさにコンサート主旨への思いを乗せ、集中力高く心地よく演奏に携わることができました。
高嶋さんは芸大のときの先輩ですが学生時代面識はありませんでした。僕の上京とほとんど同じタイミングで日本に来はじめ、後に毎年のようにソロやカルテットで来日したミシェル・ベッケさんのコンサートに曲を提供した方として、知り合いました。
僕は自分の最初のリサイタルに夕やけこやけの編曲を依頼。ベッケさんに書かれた「五木の子守唄」が好きで、そんな感じをお願いしたのです。
10年近くの年月が経ち、ジパングのための依頼を電話したとき「最近は作曲から離れている」と聞いてびっくりしました。子育てに専念されていたからですが、無理矢理お願いして出来上がってきたのが、名曲「古都三景」です。
その素晴らしさに魅力され、以降ソロやアンサンブル、編曲まであらゆるものを依頼し生み出していただきました。
今ではトロンボーン界のレパートリーの中核を為す作品群。コンテンポラリーテイストではなく、しかし高嶋さんにしか生めない世界観が、あらゆる演奏家たちの意欲を刺激しています。
あるポップスの作曲家が「ヒット曲になるかは転調の成功にかかっている」と言っていましたが、まさに高嶋作品の魅力はそこにあります。
その情緒こそ、日本代表として世界へ拡がっていくことは間違いない。日本人の情緒でしかなく、常に突き動かされて出てくるものばかりというのは、復興支援を主導する生き方と重なるものです。
価値ある民族性。世界が大好き日本食!のように、寿司、ラーメン、高嶋圭子のはずなのです。
トロンボーンクァルテットジパングのレジデンスコンポーザーであり、トロンボーンクァルテットティンツのエグゼクティブアドバイザー。
他には聞いたことがない、室内楽の団体の要職を二つも担っている。
今日のコンサートも、一点の曇りなく素晴らしい魅力のみの音楽たちに携われる幸せを、強く感じています。
広島豪雨災害復興支援コンサート
posted by take at 09:17| 活動報告