2019年04月24日

ベアーウォーズ


中国四川省の山奥にて暮らすパンダの一家があった。


お父さんは耳が黒ではなく茶色のシヨク、お母さんはマスクが甘いメロン、長男はピンチに頼りになるカン、長女コツぺは誰をも包んであげる優しい子。そして末っ子アンは、甘えん坊でいつも誰かの後ろにくっついている臆病者の男の子。

友達たちは、頭が固いフランス、テンションアゲアゲのカレー、ネタを持ってたり持ってなかったりするぶどう、距離感近くベタベタしたがるジヤム、そしてアンが密かに恋心を抱いている柔らかい性格のクリーム。


そんな彼らの村に、不穏な噂が流れる。荒くれものでチョー嫌われもののグリズリーのアが、近づいてきていると言うのだ。

乱暴者のグリズリーの中でも、アは特に気性が荒くて知られている。ただ最近はあまりの不人気に凹み、「いいクマキャンペーン」をやっていると聞いていたのだが……

ゴロゴロしてるだけなのにJK(女子クマ)から絶大な人気を誇るリラツの姿に

「なにがいいクマキャンペーンだ!俺は熊なのに馬鹿馬鹿しい!!」

とわかるようなわからないような言葉を残し、以前よりも更にヒールベアーとして、あちこち迷惑をかけているというではないか。暗黒麺を食べたアは、完全にダースベアダーと化したのだった。


噂が怖くて怖くてしょうがない末っ子アンは、一日中笹の葉布団をかぶってブルブル震えている始末。

すると、外で遊んでいたはずの兄弟友達たちの悲鳴が聞こえてくるではないか。

「ベッ、ベア〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」


勇気もなにも身体が動かないアン。

「ひ、ひぇ〜〜〜、ムリ、ムリっす、勘弁してぇ」

しかしとうとうクリームの声が。

「やめてください!!なんで同じクマの仲間なのに私たちをいぢめるの!?あなただって、よく見りゃイケメンマに見えなくなくなくない感じなのにっ!!!」

「イケメンマってなんだ?……」とアンは一瞬思ったが、その直後に響いたクリームの悲鳴を聞いた瞬間、いてもたってもいられず布団を飛び出して外へと駆け出していた。


アの腕にはクリームが抱えられている。

「クリーム、大丈夫か?」

「みんな、私は大丈夫。こんなやつ相手にしないで逃げてっ」

周りを囲むアベアンジャーズは、一歩も動けない緊迫状態。


「悪魔のようなやつめ、クリームを離せっ!!」

アンはありったけの勇気を振り絞り叫ぶ。


「俺はアクマじゃねえ、クマのアだ!!そういうお前はなんだ!!」

「僕はパンダのアンだっ!!」

「アンパンダ?ふざけた名前だがうまそうだな。こいつを助けたければ、俺の手下になれ」

「誰がお前なんかの。それより客観的に自分の言動を見てみろ。空気読めないだけでなく、クマ様のおかげで生きていけてるという感謝の気持ちが日常的に無いから、周りとの距離感ばかりが遠くなっているという悪マ循環に気がつかないのか!!」

「ちょっと何言ってるかわかんない……うっせ!!こいつがドーナツでも言いのか」

「それを言うなら、どーなってもいいのかだろ!日本語も怪しいな(中国ですけど)。口でわからないなら、これでもくらえっ!」

何気に勇気以外にもいろいろ持ち合わせていたアンは、フォースの力みなぎる右腕を突き出した(右前足ですが)。


「あんパーンチ!!!」


N響定期
次回につづく………かも?いや、ないな。

posted by take at 12:23| 活動報告