2019年03月28日

偶然へともがく


『常識を打ち破る科学的発見は、偶然から導かれることが少なくない。だが、その偶然を生み出すには、失敗を恐れずにチャレンジし続ける、不断の努力で裏打ちされているものだ。「偶然は、強い意志がもたらす必然である」』

「ノーベル賞がつらかった」田中耕一が初めて明かした16年間の“苦闘”という記事の中の一文。

自らに重ね合わせ共感した人たちがシェアしている。



私たちの楽器の上達。ある日やってくる「価値ある新しい達成」への道程も、まさにこのことと重なって見える。

昨日までできなかったことがある日できるようになる。出なかった音が出る。わかってなかった理屈やノウハウがわかる。

全て偶然のように突然登場するが、同時に「積み重ねなんだろうなあ」と感じやすいことでもある。

「その偶然を生み出すには、失敗を恐れずにチャレンジし続ける、不断の努力で裏打ち」ということであれば、そこまでの日々のトレーニングで、いかに唇がもがき続けたか、ということに尽きる。


そう、何かしらの理想、それを求めて止まない欲求が、実は音を探しながらもがいている唇を一生懸命動かしている。まだ震えぬ振動、聞こえてこない音を目指して。

「これじゃない!!これじゃない……」と。ときには血の涙を流しているかもしれない。


するとある日、淘汰されたような結果をもって、新しい振動を私たちに与えてくれる。その瞬間にわかる理屈、必要な道程がわかることも多い。


自分にとっての新しい価値ある演奏。それは「我が常識を打ち破る唇における科学的な発見」だとして、想定タイミングで成されるものではないという意味で、偶然から導かれることが少なくないとも言える。

だがその偶然を生み出すためには、失敗を恐れずにチャレンジし続ける、不断の努力で裏打ちされている必要がある。


「偶然は、強い意志がもたらす必然である」


強い意志とは、今よりも素晴らしくという美しい理想をもち続け、苦悩ともがきへと振動していく、そんな種類の欲のことなのだろう。


理想なき取り組みは、辛きもがきを回避した分、新しい結果には繋がらないことは確かである。

自分を信じず諦めてしまった人は、言わずもがな。


N響練習

posted by take at 07:59| 活動報告