2018年07月17日

計算


楽譜とは数式である。

出会った時からそうで疑問を持たない人がほとんどだと思うが、そもそも音楽という数学や算数とは遠い世界のイメージになるアイテム、その「導き用紙」にはなぜだか数字が書いてある。

拍子として4/4や6/8といった数字が、3連符に至っては音符の上に3と書いてある。

そう、数字が直接書いてあるのだ。

実は数式である。


『リズムというタイミング』
四分音符を2倍で二分音符、4倍で全音符つまりかけ算。2つを連桁で繋げたら八分音符という2等分、3つにし上に3と書けば3等分、4つを連桁2つで繋げれば4等分。つまりわり算。タイは足し算、短い休符は引き算。


『長さ』
たとえば、全音符が書かれてある1小節が4センチの幅だとする。正確な全音符の長さを演奏しようとした場合、本当に4センチで吹けているのか、3,8センチになってないか、4,2 センチになってないか、正確に査定するという計算をしなければならない。


『音量』
4拍かけでpからfにクレッシェンドする場合、途中の2拍目、3拍目は音量の目盛りをいくつに設定するか、計算しなければならない。


『アナリーゼ』
曲全体の盛り上がりの頂点、山の頂上が理解出来た場合、そこへ向かってどのように盛り上げていくか、どのようにフレーズをスタートするか。そのフレーズ全体をそう仕立てるなら、その前のフレーズは曲全体の頂点を超えるような表現はすべきではないから、どの程度にとどめておくか。なら曲の最初は、どれくらいでスタートするか。全て計算。


そう、演奏行為というのは全て「計算をする」ということ。

算数や数学を学んだり、割り勘の計算をすることを悪く思う人はいないはず。しかしこと人間同士のコミュニケーションとなると「計算する」というのはネガティブなイメージになる。

素敵な人間性を備えた人が自然に振る舞うことは歓迎されるが、計算しながらつきあってるとなると、周りは利用されてる感になり、決して良いイメージにはならない。


もしかしたら音楽に対しても、そう思う人は多いかもしれない。

「計算なんて言い方はやめてくださいよ。音楽はもっと感情のもの。心の喜びのもので、そんな数字とか、割りきれるようなもんじゃないでしょ」


いえ、計算です。実は、きっちりかっちり計算しなければならない。

優れた演奏家、楽器の名手はもれなく、正確なる計算こそをずっと繰り返している。


ではそれができてない人は何をやっているのか。

「あ、知ってます。八分音符ですよね。四分の半分だから、こんな感じですよね」

と、ほとんど「感じ」の取り組みに終始している。

その「感じ」が、本人の音楽に対するざっくりとしたイメージからの取り組みに繋がるが、出来上がる結果は決して満足いくものではなく、どちらかといえば「正体不明」なものとして聞こえ、首をかしげ続けることになる。


楽譜とは数式であり、音楽の演奏には、超正確な計算をするということが不可欠である。


では、なぜ楽譜が数式になっているのか。

これについては、また明日考えたいと思います。


川越へ

posted by take at 15:35| 活動報告