2017年10月02日

ショートショート『レッスンにて』


「自分のやりたい演奏があなたの中で定まった上で、今吹いていますか?」

「…………い、いえ、ま、まだ………」

「だとしたらたとえレッスンの場だとしても、まだ人前で披露する段階ではありません。どんな場合でも人に聞かせる時には、自分のやりたい音楽をやろうとしてなければなりません。それに対して評価を得ようとしたり、一方的に伝えようとしたりするのが演奏行為です。もしあなたが自分の本当にやりたいことを探さず、イメージもできず、定められないまま練習しているのだとしたら、それは自分のやりたいことを表現するという愉悦を放棄し、音楽を勉強にしてしまっています。音楽を音学にしているのです。レッスンを受けるというのは一瞬勉強っぽく感じられますが、その姿勢から先生が伝えられることは通り一辺の限られたことであり、ある意味一方通行にしかなりません。まずは、あなたが本当にやりたい表現をきちんと探し、イメージし、それを楽器で練習してからもう一度来てください」


大塚へ

posted by take at 10:31| 活動報告