2017年08月30日

すり鉢の底から


後期からレッスンの部屋を極力大きくしてもらうよう、楽聖に依頼していた。授業で使ってない時間帯なら、本番をやるスタジオ等でレッスンも可能なのでそこを優先してと。

東邦は夏休み明けに前期試験があるので今日からレッスンをスタートした。のっけのこの広い空間で、新しい手応えを感じることができ嬉しくなりました。


今日の部屋はソロのおさらい会でよく使う広い講義室。形はすり鉢状の半円で、一番低い扇の要の場所が教壇に。

そこから高い空間に向かって吹く。

このシチュエーションで、初めて自分から 「もっと上の方で音楽をしよう」という発言が出た。

目線の高さには比較的近い距離が受講生の空間として壁になっているので、遠くというのは「上の方へ」となる。

これがいつにない意識改革になる気がしました。


実際大ホールのステージでは、二階や場合によってはそれ以上の上方向への空間が視界にあり、自ずと意識することになる。

また音楽がフレーズの頂点に向かって演奏されるべきだとしたら、まさしく山の頂の方角に、息と思いが目指すべきポイントがあるというのは悪くない話だ。


レッスン

posted by take at 11:12| 活動報告

2017年08月29日

工夫の実


誰もがその名前を知る現代日本を代表する棋士、羽生善治さんの言葉です。



三流は人の話を聞かない

二流は人の話を聞く

一流は人の話を聞いて実行する

超一流は人の話を聞いて工夫する



凄い!かくありたいなあ。

超一流の彼が、あらゆる人を見つめ、様々経験し、時には教え、感じ、思い、考えた上に至った価値観だろう。強い説得力が実感できる。

自分が極めたいからこそ没頭するものには、本能こそが工夫をするという欲を持つといいですね。

少なくとも、頭ではわかってはいてもやり方が見つけられず、停滞からの閉塞にはまる若者には、まずやる気を求めるのではなく、独創的な工夫に対する興味へと導き期待したい。

既存のスタンダードを理解しつつ、意表をつくという進化にこそ、未来の可能性と我が生きざまの充実があることを、この言葉が教えてくれている気がします。


打ち合わせ

posted by take at 15:45| 活動報告

2017年08月28日

終わってはいない

IMG_7822.jpg


今回のN響東北演奏旅行中に、ファゴットの菅原恵子さんが、秋田のデパートで見つけたという復興支援ミッフィーを僕にプレゼントしてくれました。

「吉川家ミッフィー好きだし、吉川君誕生日一緒だし…」

被災地も含め音楽で廻る今回の旅、気持ちや意味合いが深まる意味でも、僕には嬉しい頂き物になりました。恵子さん、ありがとうございました。


このミッフィー、日本百貨店協会が『2017 全国百貨店復興アクション 東北と熊本へ、応援の輪をつなげよう』を統一スローガンに、東日本大震災と熊本地震の被災地への復興支援キャンペーンに取り組んでいるもの。

東北三県と熊本県を代表するまつり衣装を着た『miffy手をつなごうフィギュア』が、8月1日より全国の百貨店で販売されています。キャンペーン終了後、チャリティグッズの収益全額(売上高から商品原価を除いた全額)が被災地に寄付されるとのこと。

岩手県盛岡さんさ踊り、福島県福島わらじまつり、宮城県仙台七夕まつり、熊本県山鹿灯籠まつりのミッフィーたち。可愛いですよ。



盛岡公演には、大槌から槌音プロジェクトの代表、臺さんが友人たちを連れて聞きにきてくださいました。

この6年半で支援の輪は各地に広がり続けています。様々なイベントの準備で臺さんも本当に忙しそう。感謝の言葉を口にしながら日本中を駆け廻っている。

同時に人口が減少気味で、子供たちの心の病も見られる大槌の現状は、平常心で聞いていられなくなるような辛過ぎる話だ。


様々な会話をしながらホールへと歩いていた時、岩手県民会館の裏を流れる中津川の激しい濁流を、橋の上から眺めることとなった。

前日からの大雨により、遊歩道を沈めるまでの水位になり、非日常テイストのスピードと汚さで荒れ狂う恐怖を生み出している。

「津波を経験した皆さんは、この川を見ること自体、恐ろしいばかりですよね」

僕の言葉に「本当にそうです」とだけ呟き、思い更けるように宙を見つめる臺さんの表情が心に焼き付いた。


僕はこの秋から冬にかけて、いくつかの復興支援コンサートに出演します。「ア・ソング・フォー・ジャパン」を吹いたり指揮をしたり。

繰り返し続いてきたそれらの価値あるイベントも、内容の変化が必要な過渡期にきています。本当に価値を持たせるだけ思いを使い、無理やりではなく自然に努力を重ねるには、過去からの継続だけでは困難になってきているのです。

実は震災の実態をはっきりとは知らない世代は高校生にまで至っています。6年半とはそういう年月。それは日本のあちこちがそうだろうが、被災地の子供たちが既にそうなのです。

まだまだ平穏な日常とはいかない大槌にて、そんな世代が心病む現実があります。


震災の傷はあまりに大きく、故に反動が生む力も大きく、まだまだ支援を続けるエネルギーも決して枯渇はしていない。しかし、携わる人たちが疲れ気味なことは確かだ。

若者は知らない世代になり、年長者は年齢を重ねている。


復興はまた半ばなのだ、忘れないで欲しいと、ミッフィーも臺さんの眼差しも叫んでいるように感じ、心あらたに人を思うことを決意する旅になりました。


オープンキャンパス

posted by take at 16:49| 活動報告

2017年08月27日

フレポル


金管楽器の中で、トロンボーンだけができる奏法はグリッサンド。

で、演奏のフォルムとしてグリッサンドやポルタメントが入ってしまうのは美しくないので、

「スライドを感じさせないように。バルブやピストンのように」

とイメージしトレーニングするのは、テクニックの洗練にとっても大事なことだと思います。欧米の名プレイヤーにも、この手の発言をする人はいます。

ただ

「グリッサンドができるんだからこそ、それを利用してやるトレーニングをした方がいい」

という考えが、僕の中では日に日に大きくなっています。

つまり金管楽器として共通のトレーニング以外に、トロンボーンにしかできないやり方を利用するということ。

僕のルーティンは一般的にはアブノーマル、少々変わったもので、以前からグリッサンドを使うものはパターンとしていくつかありますが、最近は


ガッツリグリッサンド!


みたいな練習で、新しい手応えを感じている。


池田君に披露し意見を仰いでいたら、

「フレキシブルポルタメント、通称フレポル!」

という名前をつけてくれました。


早速楽聖たちと試してみよう。新しいトレーニングを思いつきその成果を若者たちと研究し合うことは、僕にとって何より楽しいことだ。


N響仙台公演

posted by take at 19:48| 活動報告

2017年08月26日

厳失礼の産物


今朝『にじいろジーン』を見ていたら、はるな愛ちゃんが、嫁姑ダブル変身のコーナーで島根は出雲を訪ねていた。

大西賢示さん大阪出身ですが、昨年から出雲の観光大使やってんのね。(愛ちゃんの本名もギャップが楽しいが、沖縄宜野湾出身のりゅうちぇるが比嘉龍二ってのがかなり好みス)

愛ちゃんも女性たちも会った時の女子定番で、両手胸前サヨナラ風くるくる挨拶からの「愛ちゃん可愛い!」はよかったのだが、いつもと違ったのは、

「愛ちゃん太った?」

といきなり実弾をくらっていたことだ。

世界一の美貌との過去の栄光を誇る愛ちゃん、視聴者はたいてい感じていることとはいえ、いきなりのド素直直球に対し、流石お笑いタレント(?)

「しーっ!!それ内緒っ!!!」

と反す辺りは見事。微笑ましい限りでした……


ふと思ったのだが、「世界一になったあの時の愛ちゃん、本当に世界一の美しさやったね」とまで本音の上乗せしたら、彼女本気でダイエット始めるんじゃなかろうか。

人ってそんなもんですよね。

普段はみんなきぃつかって言わないようなマイナスも、不意に聞くことになることで、それが頑張りへの転換のきっかけになる。

「あなたもともと綺麗だけど、もう少し痩せたら本当に凄い美人なのに」との発言で、本気ダイエットからの変貌を遂げた人の話も聞いたことがある。

マイナスなことは聞きたくないし、言った方が非難されることは多いが、好転のきっかけになることもある。逆に誰からもそこを突つかれないままいって、結局そのままずるずるとの結末になる可能性もある。

根性がわくという論点でも、人は誰しも自分1人で生きているわけではないのですよね。厳しい社会が人を幸せにすることも純然とあります。


ということはですよ、ふとアホなこと思ったんですが

「君、音悪くなった?前の方が惚れ惚れするようないい音だったよね」とか

「なんか音小さくなった?前の方が凄く大きく鳴ってたよね、あの頃かっこ良かったわー」とか

「もともとテクニックあるけど、もう少し鮮やかに吹いたら世界一やのに」なんて、嘘でもいいから言ったら(言われたら)、人は変われるのだろうか。

いやん、怖すぎるからそれが本音でも聞ける勇気ないわあ。


でも……


N響弘前公演

posted by take at 11:36| 活動報告