2017年08月31日

大人の京急


夕方くらいになると、京急のホームは、帰宅の人たちでごったがえす。

遥か彼方の三崎口まで本当に長旅ができる京急なので、僕のようにチョイノリからガッツリノリの人まで、さまざまな乗客が、まさにるつぼる。


ホームに小さなセブンイレブンがあり便利。

そこで買ったのだろう、サラリーマンが350のスーパードライを飲みながら、電車を待っている。


……家まで待てないのかな?きっと遠いんだろうなあ。


快特が来た瞬間、飲みさしの缶をスーツの内ポケットに入れ、満員電車へともまれにいく。彼なりのマナーなんだろう。


……どこかで空いたら、残りを飲むのかなあ。


もしかしたら、ホームで何口か、ちと我慢して、空いたら残りを飲むことを一日のささやかな楽しみにしているのかもしれない。

飲まない人からすると迷惑に感じるかもしれないが、ガッツリ働き長距離を往復するサラリーマンの本当に小さな幸せを、おおらかなハートで許してあげてほしい。


ふと……

一番後ろの一両くらい「飲酒車両」にしてあげたらどうだろう。

中には立ち飲みテーブルがあり、自販機にトイレも。知らないサラリーマン同士も、お酒の力でフレンドリーからの、長旅ストレス軽減に役立ちそう。

喧嘩した場合は次の駅下車からの、ブラックリストで再利用不可。


名前はもちろん『大人の京急』。車掌おおらかなおよろし。



N響定期

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2017年08月30日

すり鉢の底から


後期からレッスンの部屋を極力大きくしてもらうよう、楽聖に依頼していた。授業で使ってない時間帯なら、本番をやるスタジオ等でレッスンも可能なのでそこを優先してと。

東邦は夏休み明けに前期試験があるので今日からレッスンをスタートした。のっけのこの広い空間で、新しい手応えを感じることができ嬉しくなりました。


今日の部屋はソロのおさらい会でよく使う広い講義室。形はすり鉢状の半円で、一番低い扇の要の場所が教壇に。

そこから高い空間に向かって吹く。

このシチュエーションで、初めて自分から 「もっと上の方で音楽をしよう」という発言が出た。

目線の高さには比較的近い距離が受講生の空間として壁になっているので、遠くというのは「上の方へ」となる。

これがいつにない意識改革になる気がしました。


実際大ホールのステージでは、二階や場合によってはそれ以上の上方向への空間が視界にあり、自ずと意識することになる。

また音楽がフレーズの頂点に向かって演奏されるべきだとしたら、まさしく山の頂の方角に、息と思いが目指すべきポイントがあるというのは悪くない話だ。


レッスン

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2017年08月29日

工夫の実


誰もがその名前を知る現代日本を代表する棋士、羽生善治さんの言葉です。



三流は人の話を聞かない

二流は人の話を聞く

一流は人の話を聞いて実行する

超一流は人の話を聞いて工夫する



凄い!かくありたいなあ。

超一流の彼が、あらゆる人を見つめ、様々経験し、時には教え、感じ、思い、考えた上に至った価値観だろう。強い説得力が実感できる。

自分が極めたいからこそ没頭するものには、本能こそが工夫をするという欲を持つといいですね。

少なくとも、頭ではわかってはいてもやり方が見つけられず、停滞からの閉塞にはまる若者には、まずやる気を求めるのではなく、独創的な工夫に対する興味へと導き期待したい。

既存のスタンダードを理解しつつ、意表をつくという進化にこそ、未来の可能性と我が生きざまの充実があることを、この言葉が教えてくれている気がします。


打ち合わせ

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2017年08月28日

終わってはいない

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今回のN響東北演奏旅行中に、ファゴットの菅原恵子さんが、秋田のデパートで見つけたという復興支援ミッフィーを僕にプレゼントしてくれました。

「吉川家ミッフィー好きだし、吉川君誕生日一緒だし…」

被災地も含め音楽で廻る今回の旅、気持ちや意味合いが深まる意味でも、僕には嬉しい頂き物になりました。恵子さん、ありがとうございました。


このミッフィー、日本百貨店協会が『2017 全国百貨店復興アクション 東北と熊本へ、応援の輪をつなげよう』を統一スローガンに、東日本大震災と熊本地震の被災地への復興支援キャンペーンに取り組んでいるもの。

東北三県と熊本県を代表するまつり衣装を着た『miffy手をつなごうフィギュア』が、8月1日より全国の百貨店で販売されています。キャンペーン終了後、チャリティグッズの収益全額(売上高から商品原価を除いた全額)が被災地に寄付されるとのこと。

岩手県盛岡さんさ踊り、福島県福島わらじまつり、宮城県仙台七夕まつり、熊本県山鹿灯籠まつりのミッフィーたち。可愛いですよ。



盛岡公演には、大槌から槌音プロジェクトの代表、臺さんが友人たちを連れて聞きにきてくださいました。

この6年半で支援の輪は各地に広がり続けています。様々なイベントの準備で臺さんも本当に忙しそう。感謝の言葉を口にしながら日本中を駆け廻っている。

同時に人口が減少気味で、子供たちの心の病も見られる大槌の現状は、平常心で聞いていられなくなるような辛過ぎる話だ。


様々な会話をしながらホールへと歩いていた時、岩手県民会館の裏を流れる中津川の激しい濁流を、橋の上から眺めることとなった。

前日からの大雨により、遊歩道を沈めるまでの水位になり、非日常テイストのスピードと汚さで荒れ狂う恐怖を生み出している。

「津波を経験した皆さんは、この川を見ること自体、恐ろしいばかりですよね」

僕の言葉に「本当にそうです」とだけ呟き、思い更けるように宙を見つめる臺さんの表情が心に焼き付いた。


僕はこの秋から冬にかけて、いくつかの復興支援コンサートに出演します。「ア・ソング・フォー・ジャパン」を吹いたり指揮をしたり。

繰り返し続いてきたそれらの価値あるイベントも、内容の変化が必要な過渡期にきています。本当に価値を持たせるだけ思いを使い、無理やりではなく自然に努力を重ねるには、過去からの継続だけでは困難になってきているのです。

実は震災の実態をはっきりとは知らない世代は高校生にまで至っています。6年半とはそういう年月。それは日本のあちこちがそうだろうが、被災地の子供たちが既にそうなのです。

まだまだ平穏な日常とはいかない大槌にて、そんな世代が心病む現実があります。


震災の傷はあまりに大きく、故に反動が生む力も大きく、まだまだ支援を続けるエネルギーも決して枯渇はしていない。しかし、携わる人たちが疲れ気味なことは確かだ。

若者は知らない世代になり、年長者は年齢を重ねている。


復興はまた半ばなのだ、忘れないで欲しいと、ミッフィーも臺さんの眼差しも叫んでいるように感じ、心あらたに人を思うことを決意する旅になりました。


オープンキャンパス

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2017年08月27日

フレポル


金管楽器の中で、トロンボーンだけができる奏法はグリッサンド。

で、演奏のフォルムとしてグリッサンドやポルタメントが入ってしまうのは美しくないので、

「スライドを感じさせないように。バルブやピストンのように」

とイメージしトレーニングするのは、テクニックの洗練にとっても大事なことだと思います。欧米の名プレイヤーにも、この手の発言をする人はいます。

ただ

「グリッサンドができるんだからこそ、それを利用してやるトレーニングをした方がいい」

という考えが、僕の中では日に日に大きくなっています。

つまり金管楽器として共通のトレーニング以外に、トロンボーンにしかできないやり方を利用するということ。

僕のルーティンは一般的にはアブノーマル、少々変わったもので、以前からグリッサンドを使うものはパターンとしていくつかありますが、最近は


ガッツリグリッサンド!


みたいな練習で、新しい手応えを感じている。


池田君に披露し意見を仰いでいたら、

「フレキシブルポルタメント、通称フレポル!」

という名前をつけてくれました。


早速楽聖たちと試してみよう。新しいトレーニングを思いつきその成果を若者たちと研究し合うことは、僕にとって何より楽しいことだ。


N響仙台公演

posted by take at 19:48| 活動報告