2017年03月04日

運命の音


よく知られたことですが、アムステルダムのホールもまたパリと同じく素晴らしいアコースティック。幸せな音楽の瞬間となりました。

コンセルトヘボウは久しぶりだったのですが、客席で音だしをしている時、ふと「これ、絶対計算されて作られた空間じゃないよな」と思いました。

内装等見た目的に美しさを追及したのは明らかですが、形自体はかなり大きなただの箱。130年ほど前の建築物で、きっと「とにかくこれくらいの大きさの長方形の箱作って、綺麗に内装飾って、良さそうな所にステージを」くらいののりではないかと思ったのです。(違ったらとんちんかんですが)

実際にはたか〜〜い天井からの反響板はなく、上方向もがらんどうなのに、各々の楽器はとてもクリアーに反応よく聞こえる。いろいろ大きく、よく聞こえる。でもいろんなタイミングでも聞こえる。

そっか、これがこのホールでやることの難しさか。美しいいろんな楽器の音が、大きく、そしてずれて聞こえる。

このホールでやるには、タイミングもだが、音量自体のアンサンブルが凄く大事そう。

実際コンセルトヘボウのトロンボーンの人たちの「フォルテでも、強く大きくは吹かない。絶対エキサイトしないようにしている」との発言を聞いたことがある。

このホールでニューヨークフィルや京都市交響楽団を聞いたら「コンセルトヘボウよりとても音が強くて驚いた」という話もきいた。

現代の新しいホール、つまりこれから作られるホールは全て綿密な音響計算がなされてのものでしょう。ただこのようにある意味偶然の産物がオリジナルなオーケストラの音を作り、文化を作ることもある。

これからの時代ではほぼほぼ望めないパターンではある。そういう意味で、価値ある歴史的ホール。

そこには人間の計算ではない、とても美しい「運命の音」が鳴り響いてました。


N響アムステルダム公演。 夜はそのコンセルトヘボウのプレイヤー、そして留学生たちと交流。楽しくもエキサイティングな時間でした。

posted by take at 02:30| 活動報告