2017年01月13日

興奮と冷静


かつて高校生のレッスン中に「あまり興奮しないで吹こう」と投げ掛けたことがある。

難しいソロの曲の姿形がかなり崩れるほど、鼻息フンフン吹いていたので。

すると一区切りついた時、「先生、興奮してはいけないんですか?」と聞いてきたので、

「興奮して吹きたい気持ちはわかるよ。でもどこかで冷静な自分がいないと、結局満足しない結果にしかならないからね。お客さんこそが興奮しなきゃならないからね」

と答えたことがある。


私たち演奏家も指揮者も同じだと思うが、じゃあ冷めてればいいのか、といえばそうではないと思う。

ただ、客が興奮する時というのは、演奏家が凄く興奮している時でないことはたしか。

演奏には「興奮へ」も含め、閃きや流れからの偶然の産物はあるが、やはりやり口というのが存在する。

そのやり口を手に入れるために最も必要なのは、


『日常の時間における冷静かつ奥深い考察』


に他ならない。

そこには、我を見失うほどの興奮は存在しない。


N響定期。

posted by take at 17:58| 活動報告