2017年01月12日

ま、いっか


茂木健一郎さんの「すぐやる脳とぐずぐず脳」の話をテレビで見たことがあります。本もかなり売れたようですが、端的に話した内容はとても面白く、印象に残りました。

すぐやる脳はある程度ちゃらんぽらんな人、ぐずぐず脳は真面目な人だと。



『世の中には二通りの人間がいる。何に対しても素早く決断して行動できる「すぐやる」人間と、なかなか物事を決められず、考えすぎて動けない「すぐやれない」人間。ビジネスの世界で結果を出している人はもちろん前者。一方、後者は意外なことに真面目な人が多い。きちんと取り組もうとすればするほど、なぜかやる気が落ちてしまい、仕事を後回しにするクセがついてしまっているという。

「すぐやる」「すぐやらない」という差がどこから生まれてくるかというと、脳の働きが大きく関係している。「すぐやる脳」とは、「抑制」が外れて軽やかに動く頭脳。「すぐやらない」人間を脳科学的にみると、むしろ脳が正しく働いていると言える。この現象は子供も大人も同じ。集団のルールを大事にする人ほど、「慎重に検討しなければならない」「常識で考えると……」といった抑制が働き、行動にブレーキをかけてしまいがち。いわば、真面目に生きようとすればするほど、行動力は失われていく。「すぐやらない」人は、「すぐやる」ことが苦手なわけではなく、「脳の抑制の外し方」を知らないだけなのだ。』


この話を生徒としていたら、突然質問をされた。


「先生はどちらなんですか?」


う〜ん……考えてしまった。

僕は、自分のやりたいことはせっせとするが、やりたくないことはまるきりできない人間です。子供の頃も、勉強はやらずトロンボーンはずっと吹いていた。

結構年齢を重ねて気がついたのは、

「僕は、やりたいことだけで24時間365日を生きていたい、そんな人間だ」

ということ。

運良く演奏家になれたというのは大きい。アマチュアの人と話すと「仕事はやりたいことではありません。週末の趣味のために、やりたくないことをやってるんです」とはっきり言う人は多い。

僕も、演奏家になれてなかったらそう生きていたのでしょう。でも本当に運良くなれたため、演奏以外の時間も「やりたいことだけで埋めてしまいたい」と思っている。贅沢だし我が儘だ。

そのために、結果やらなければならない細かいことはそれなりにある。教育現場でも演奏会の企画段階でも。それらに関しては、昔よりは多少フットワーク軽くやるようになったかな、という感じ。まるで完璧にはいかず、宿題も随時持っていたりするダメダメぶりですが。


「君はどうなの?」

「私は、完全にぐずぐず…」

「真面目なんだよ。ちゃらんぽらんは大事だよ。絶対こうしなければならないっていうのをやらなかったからって、自分が死ぬわけないし、地球が滅びるわけじゃないし。ま、いっか……って大事だよ」

「ま、いっかですか」

彼女は苦笑から少しうつむいて

「私、多分一度も言ったことないです」

「じゃあ言ってごらん、ま、いっかって。隣を歩いている彼氏の鼻から鼻毛が見えてたって、ま、いっかってね」

言った後「たとえがなんだったか」と思ったけど、ま、いっかである。

生徒は、僕の実像の大きさしか敬わないのだから。


N響定期練習。川越へ。
今日で1900日目になりました。いつまで書くのやら。ま、いっか。


posted by take at 13:45| 活動報告