2016年09月03日

左手と私


トロンボーンって、片手で(ほぼ)持ち、置かずに宙に浮かしている楽器として、一番重いんじゃなかろうか。

え?左肩に置いてるんじゃないの??

答え:置いてません。横から首に当たってたりするが、それは重さを軽減するにはまるでなってない。

テナー、テナーバスで1.5キロから2キロの間。バスは2.5キロか、それ以上ある場合も。その重さのダンベルを、ずっと握ったまま浮かせているのである。努力と根性に対し、何かしら表彰があってもいいんじゃなかろか。

では、左腕上腕二等筋はモリモリかといえば、僕の知り合いは皆ぶよぷよである。動かしてないからね。筋トレにはなってないし、みんなロングトーンより団子、練習より飲み食いやからね。「トロンボーン吹いてるだけでスゲー運動になってるよな!」と言いながら〆ラーしてるし。


今日はそんなことを書きたいのではない。トロンボーンと左手、その持ち方について書きたいのです。

日本人は身体が大きくなってきた、つまり手も大きくなってきたとはいえ、やはりスライドの幅含め現存するトロンボーンは外人仕様だと思います。最初に手の大きな外人用にサイズが決まり、それを世界中で採用し続けている。

ほとんどの楽器がワイドスライドだが、きっと日本人の平均にはコーンみたいなナロー辺りが丁度良いのでしょう。

ただこれも平均のイメージの話。実は指の長さ、掌の大きさは全員違うのに、持つ楽器のサイズは定型である。もし理想的な持ち方があるのなら、持つ部分だけでも自分のサイズに合わせオーダーメイドした方が良いのでしょう。

そう。動かさずずっと持つ、持ち上げる部分なのに、個人には全く対応していない。身長に合わせて器具のサイズを変えられる、筋トレマシンのようにはなってない。

「なんとなくこれくらいのサイズを、皆さんうまく持ってください」

ということなのだ。

では、どのように持つのが良いのか。楽器と手の大きさとの兼ね合いが様々である以上、実は決まった形に当てはめられないのだと思います。

理想は、『持っているだけで、極めて安定している持ち方』です。

そうすることによって、口を付け吹く時に、頭部や口周りは振動のためだけに頑張ればよくなる。

しかし不安定にしか持ててないと、手がギューッと必要以上に力を込めて握ろうとしたり、腕そのものが頑張ろうとしたり、口周りが頑張ろうとしたりする。つまり安定させるため、あちこちが不必要に頑張りはじめ、結局、うまく振動やアンブシュアが作れないとなる。

知っておきたいのは、楽器のGのかかる方向と、それを支える三点のこと。

真下、つまり重力に対しては、中指から小指までの三本でなければならない。

親指は前後のバランスに対して。

そして実はこれが大事なのだが、人差し指は左下側へ倒れようとする楽器を右下方向へと支えている。(ここが斜めのGになっているのがポイントだが、これを上下に安定させる支え方も実はある)

この三点のバランスをうまくとり、それぞれの指が的確に支えられれば、腕から肩、頭部、そして口は、本来自分がすべき仕事だけに専念できる。

そしてこの支え方は、人それぞれ微妙に違うのでしょう。楽器のサイズは定型ですが、左手のサイズは皆違うのですから。

是非、マイオリジナル

「最も力まない、的確な三点の支え」

を見つけてみてください。

トロンボーンに限らず、上手く吹けてる人というのは、自分の身体と楽器のオリジナルな支えが絶妙で的確な人なのでしょう。安心して振動という表現に専念したいのが本能ですから。

人生は家族の支え、トロンボーンは指たちの支えですね。


川越へ。


posted by take at 09:51| 活動報告