2016年08月31日

神の存在


かつて、「一番うまいのでは?」とまで言う人がいたラーメンの名店がありました。もう閉店してから10年以上経ちます。通っていた人たちの落胆ぶりったらなかった。その後移転した様子もなく、ファンの間では「過去の美味、その喜び」として、思い出すように語られていました。


最近ひょんなことから、そこで働いていた人がお店を出してると聞き、食べに行きました。

とても美味しいラーメン、近所にあったら間違いなく通うと思います。あの店の味の方向、美味しいスープは飲んでも飲んでも飽きず、「もう終わり」から、また何度もレンゲを手にとってしまうくらい。


ただ……あの店とは大分違いました。

十分美味しいけど、でも違う。あの店で修得した通りに作っているとの情報もあるので似ているのですが、でも距離を感じます。


凄く美味しいものというのは、無類の価値を感じます。これだけ美味しい食べ物を提供する店が溢れる現代でも、リピートしたくなるくらい美味しいというのは本当に大したもの。あれこれ楽しめるからかもしれないし、美味しいものが当たり前になりつつあるし。その中でも、「また来たい」と思わせる作り手のセンスや情熱は賛辞に値する。


ただ、それを超越した食べ物というのは、本当に存在するんですね。

底上げ含め全体のレベルが上がり、更に名手、名人、名店がどんなに増えても、実はその価値ある豊かな層の上に、更なる神の領域がある。そこには数えるほど少ない、場合によっては唯一のアイテムが存在し、知る人ぞ知る人間にとって偉大なる価値として、光輝いていたりする。

その偉大なるものと、価値ある素晴らしき層の間に、意外と距離があるのだなと思った。


決して今回食べたラーメンをけなしているのではありません。とても美味しかった。

だからこそ、神の領域が見えてしまったのです。


川越へ。


posted by take at 09:34| 活動報告