2016年06月07日

沖縄県立芸術大学


今日は、昨年度から行っている沖縄県立芸術大学について書きます。


東京や京都、愛知等の数限られた国公立芸術大学のひとつですが、どんな学舎か知らない人、イメージがわきにくい人も多いのではないでしょうか?

沖縄、離れてますからね。観光に行くイメージはあっても、西洋音楽を学びに行くには、随分遠く感じてしまうかもしれない。

実際僕自身もあまりよくわかってなかった。先生方はかつての演奏仲間も何人かいるのですが、楽聖のムードや校舎のことなどは、未知数のままスタートすることになりました。

いや、全くなかったといえば嘘になる。かつてN響で行った際、楽聖たちとも飲み親しくなり、メルアド交換して連絡取り合ったり、彼らがカルテットのコンクールを受けに上京してきたこともありました。ただ深い理解は、当然ですが通い始めてからとなりました。


場所は、観光スポットとしても有名な首里城の直ぐ横にあります。那覇空港からモノレールで30分。終点首里駅から歩いて10分弱。周りは観光客も行き来するスポットで、ぼちぼち賑やか、でも静か、なんて雰囲気。

楽聖は器楽全体で一学年20人弱。トロンボーンは四学年で四人。大体例年そのくらいの人数のようです。沖縄の民族音楽を習う科は楽聖も多いよう。美術ももちろん賑わってるが、規模等は僕はまだ知りません。

大学のカリキュラムは、多くの音楽大学と変わらない。個人レッスン、オケ、ブラス、室内楽、一般教養。ただ特徴としては副科で三線が習えたりするよう。居酒屋で楽聖ににわかレッスンを受け、一瞬だけ「てぃんさぐぬ花」が弾けたことがある。


楽聖たちは一言で言うと

「皆明るく、そして熱心、ポテンシャルが高い」

唯一彼らから感じられるフラストレーションは「情報に対する渇望」。インターネット等からの情報はもちろん入手しており詳しかったりするが、音大生としてのやまとんちゅうのレベル、ムードや、楽器やマウスピース等道具のラインナップに対する日常的な身近さ、そして何より、「生演奏への欲求」の不満は口にする。

それを言ったら、じゃあ関東の楽聖たちはというと、オーケストラや室内楽、ソロのコンサートまで熱心に聞きにいくかといえばさにあらずで、「お金が無い」「バイトが」「授業が」と、優先順位不明な言い訳をしながら籠り気味。出不精な者も多く、沖縄の楽聖から言わせると「なんともったいない!!」となるのだろう。

そして沖縄も、少しづつ著名な演奏家も訪れつつある。これら情報に対するフラストレーションは、僕も楽聖たちといろいろ話しながら、無意味に感じ過ぎにならないよう発信している。


そんなマイナスイメージより、明らかに僕が感じる特徴は、彼らの貪欲さと変化への逞しさだ。

トロンボーンは現在、僕と井上順平先生二人の非常勤しかおらず、月に一度、三日間滞在し濃密なレッスンをおこなう形になっている。三日間の集中力も大したものだが、不在の一月の間の向き合い方に頼もしさを感じる。レッスンで残った印象、その咀嚼に対して、まさしく貪欲なのだろう。再び訪れた際の変わり方が激しい。スパン短く回数行っている東邦とはまた違うタイプのポテンシャルを感じる。

実際卒業してから、沖縄から直接ヨーロッパ他を目指し学びに飛び立つ人も多いようだ。もちろん大学院に残る人、国内の大学への進学も含め、アクティブなエネルギーもとても感じる。

とにかく、離れた島の学舎だが引きこもった雰囲気はまるでなく、楽聖たちからは明るい積極性と、人としての無類の親切心を感じる。

学生数は数少ないとはいえ皆とても仲もよいよう。トロンボーン、トランペット、ホルンは近年各々のアンサンブルのコンサートも始め、皆総力戦で成果をあげている。降り番は不可能故の、当たり前な逞しさ。余計な思い悩みなく集中して音楽に取り組める環境です。

何より沖縄は、皆さんの想像の通り、気持ちの良い気候と優しい人たち、豊かな文化に満ちた島。受験生の皆さんが、知識もイメージも無いが故目指す対象にならないとしたら、あまりにもったいない本当に良い大学です。


この八月の上旬にはトロンボーンの楽聖四人共が上京し、合宿を経て、13日にはダクのスペースDoにて『沖縄県立芸術大学、東邦音楽大学トロンボーンアンサンブルジョイントコンサート』も開催することになりました。沖縄の風と文化をたっぷり浴びた彼らのサウンド。是非聞きにきてみてください。


レッスン。

posted by take at 15:14| 活動報告