2016年04月16日

自分の吹きたいように吹くこと


レッスン中に、自分の演奏ビデオをプレイバックして見聞きした生徒が、ぼそりとつぶやいた。


「先生、自分の吹きたいように吹いたんじゃ駄目なんですね」


誠にその通り。この言葉は、僕の心に深く残ることとなった。


普通に考えたら、肯定するのはおかしく感じるだろう。何を言ってるの!自分の吹きたいように吹くことこそ大事じゃないか、という人がほとんどだと思う。

実はこの言葉の中にある「駄目」という部分に奥行きがある。

これは、「今の私が自分の吹きたいように吹いただけだと、希望通りには聞こえてないのですね」という意味で言っている。


全てのジャンルのプロフェッショナルに通じることだと思います。専門に学んでない人が、完成品のクオリティに憧れ、イメージだけでやりたいようにやると、まず100%違うものしか表現できない。

そこから、自分のやりたいようにではなく、演奏ならどう聞こえたいか、そのためにやらなければならないことは何か、に転じていかなくてはならない。

実は、転じることができないままずっとトレーニング、マイナーチェンジを繰り返している人は多い。

なぜ転じれないか。

それは、やはり自分の吹きたいように吹きたいからであり、その吹き方を変えることは自らを否定することになるから。

しかしそうシフトチェンジし、つまり自分の演奏を聞く人の立場に“本気で”なり、やり方を変え、それに慣れていき、ゆくゆくはそのやり方こそが「自分の吹きたいよう」になる。

この入り口に立った人の言葉として、重みと深みをもって、心に響くことになったのです。


そういう意味で

「君はまだ、自分の吹きたいように吹いているでしょ」

と投げ掛けることにもなります。


沖縄県芸、レッスン。帰京。

posted by take at 23:09| 活動報告