2016年03月10日

ようかん違い


練りようかんは、

日持ちがする=気遣い

ということで、目上の方に贈るのに良い菓子だそうです。

じゃあ、吉川家としては間違ってなかったんだ。


時は1983年の冬。初めてのレッスン上京は、以前書いたように(2012年11月27日『人生の宿題』)連絡船乗り遅れからスタート。不安と向殿さんとの出会い、親切に触れるという、なんとも普通じゃない流れで始まった。

翌日の早朝からのレッスン。場所は先生の御自宅。緊張マックスの中、エチュードやスケールを吹き終了。謝礼も渡し、そしてもうひとつの難関が。

「先生、これ、親からのお土産です」

僕が献上したのは、高松の老舗菓子屋のようかん。紹介していただいた高松の先生から

「先生、甘いもの好きだから」

と聞いており、母親が買ってきたものである。ね、間違ってなかったね。

ただ、この時のやりとりが少々……

先生 「ありがとう、吉川君。君、出身どこだっけ?」

「か、香川県です」

先生 「お!小豆島?」

「いえ、高松です、市内です」

先生 「小豆島はそうめん、有名だよね」

うっ、そ、そうめんが良かったということか(汗)……。もちろん違う。

「あ、あの、先生甘いものお好きだと聞いたのでようかんを………」

先生 「おぉ、ありがとう」

そして、次のレッスンを決めたりしていよいよフィニッシュ。

「ありがとうございました」

部屋を出ようとした瞬間、後ろから声が。

「はい、じゃあまた。そうめん、ありがとうありがとう」

うっ!!!! ど、どうしよう。「そうめんじゃありません。ようかんです」と言おうかどうしようか……

緊張のあまり高速で悩んでいるうちに、そのまま玄関までたどり着いてしまい、ついにはさようなら。

実は、33年経った今でも、先生には 「あれはようかんです」 と言えていない。先生ももちろん勘違いされただけだし、怒ってらっしゃるはずがない。

何せ好物の甘いものだし、日持ちする、献上物にもってこいだし。間違ってはなかったのだ。

ただ……先生は完全にそうめんのおつもりで、ご家族もそのつもりで、お湯まで沸かしてから包装紙を開けたのだとしたら。

妄想してももう遅い。

あれは33年も前。昭和のある一日だし、今さら、そうめん持ってけないし。


N響練習。

posted by take at 17:05| 活動報告