2016年02月17日

おっかね〜話


トロンボーン吹きは、楽器の値段の話はトロンボーン吹き同士でしかしません。

いやね、世の中知らない方がいいことも沢山あるんすよ。

漠然と知っている。弦楽器が大変に高額であること、そして木管や他の金管も100万円では買えないものが多々あること、皆なんとなく知っています。ふと周りを見渡すとそんな高額な楽器を手にし、そして同じステージにて演奏し、同じギャラを貰ったりするわけですね。

どうやら、クラリネットやトランペットはトロンボーンと変わらない価格もあると。しかし彼らは、複数の楽器を持ってないと仕事にならなかったりする。

トロンボーンが、実は楽器の中ではかなり安価であり、しかも一本持ってたらプレイヤーとして仕事ができること。他の楽器の人は知らなくていいんです、ていうか知らない方がありがたい。


そんな僕らも、ファゴットがびっくりするくらい高いことを知っている。音は低いのに。

ファゴット奏者から、ただでさえ高いのに年々上がっていく値段を聞き

「大変ですねぇ」

と相づちをうつからだ。そんな時こそ尚、トロンボーンの値段は口が裂けても言えない。

ドイツのヘッケル社のファゴットが世界中のシェアのほとんどを独占しており(プロフェッショナルな場面では特に)、他社との格差が激しいのだが、このヘッケルが管楽器としては驚くほど高いのです。

注文してから3,4年待つのは当たり前で、しかも現在は一本700万円近くすると( ; ゜Д゜)。コントラファゴットにいたっては1000万円を超えるというのです(@ ̄□ ̄@;)!!。

ね、トロンボーンの値段言えないでしょ。嘘でも、弦楽器の「弓も高い」 みたいに、「いやあ、スライドが高くてねぇ」ってってもギャグにすらなりません(よゐこの皆さん、スライドは別売ではありません)。


ある時、アマチュアの生徒が1800年代最後の方のトロンボーンを持ってきたことがありました。それがなんと、ヘッケル社製だった。ドイツの工房の倉庫を整理したら出てきた物だそうで、出品されたのを飛び付くように購入したと。

その話をN響練習場の控え室でしたら、さすが日本管楽器界を代表する方々、豊富な知識が出てくる出てくる。

かつてヘッケル社は、全ての管楽器を造っていたそう。

たけ 「ヤマハみたいなもんですね」

それが、フランスからいろんな優れた管楽器が入ってくる流れの中で、バソンだけ随分システムが違ったので、ドイツ式のファゴットを熱心に手掛けたヘッケル社製が、徐々に世界中の人気になっていったと。

たけ 「それで、他全部止めてファゴットだけ造って、独占になるって流れが面白い。そこはヤマハとはまるで違う」

実はワーグナーが、ファゴットの更なる最低音が出るようなオプション楽器を造らせたのもヘッケル社だし、リヒャルトシュトラウスは社名を施した

【ヘッケルフォン】

なる楽器も造らせている。これはバリトンオーボエのことで、彼の作品の中では、「サロメ」「エレクトラ」「祝典前奏曲」「アルプス交響曲」で使われています。


N響のプレイヤーたちからは、知識以外も豊かな発言が飛んできます。

「ヘッケルって、ホントなんでも造ってたんだね。電話も造ってたかあ」

ヘッケルフォン……


N響定期。

posted by take at 21:36| 活動報告