2015年10月17日

オーボエスタート


知り合いのアマチュアオーケストラプレイヤーで、クラリネット奏者からオーボエ奏者へと転身した人がいます。

彼はクラリネットも名手だったのですが、小さい頃からの憧れだったオーボエに 「変わるなら今しかない」 と、30歳前から取り組んだよう。数年計画で、周りには内緒で楽器を買いレッスンに通い。で、僕らの前ではずっとクラリネットを吹いていた。


彼がオーボエ吹きになるというのを知ったのは、発表会の会場で。驚き口あんぐりの我々を前に、アルビノーニを達者に吹いていた。

その発表会の後飲みに行き、当然質問攻めになった。で、愚問と思った

「何故オーボエに?」

に対して、彼が答えたコメントが想定外、「音色が」 に決まってると思ったらなんと

「発音が」

と返ってきたのです。ずっとオーボエの発音に憧れてきたと。まあ、クラリネットより

スパッ!!

と迷いなく出るイメージ。もちろんクラリネットの人だってスコンと出ようとしてはいるだろうが、しかしフワッと出ることも得意中の得意。逆にオーボエにはそれが難しく、音の出だしから切れるまで “隠れることが難しい楽器” 、それがオーボエ。必然的に双方の発音のキャラは違うとなる。

その迷いなくトンッと出てくる音のスタイルに、凄く憧れていたのでしょう。そして、このままその喜びを手にせず人生を進むことが我慢ならなかったのでしょう。

それから数年経ち、今の彼はオーボエも達者に吹いて、オーケストラを楽しんでいます。


この

『オーボエ的スコン(スパン)発音』

ですが、私たちトロンボーン奏者も少なからず意識した方が良いかなと思います。トゥワンやプルン、プフワッやタイン等、私たちの陥りやすい発音キャラは、聞く側からすると、トロンボーン的って言っちゃあそうかもしれないが、演奏のフォルムとしては、美しさや洗練とはかけ離れていく。

僕自身の、永年の課題です。オーボエの発音に憧れた人の気持ちを、少し宿してみる。ひとつのアプローチです。


沖縄県芸レッスン。

posted by take at 20:06| 活動報告