2015年10月03日

バロメーター


ある映画のあらすじを聞く。

不倫相手に本気になる男。“この人こそが” が頭に充満する。「俺のことを愛しているか?」 「愛してるわ。あなたは私の全てよ」 なんて会話から、「じゃあ、二人でどこか遠くへいこう」 との一大提案に

「全てを棄てるほどは愛してないの」

逆上する男。

「じゃあ、なんでこんな関係になったんだあああ!!!」

悲劇ですね。ただ、ここにひとつの真実のラインが見える。遊びとかではなく本当に旦那よりも愛しているのだろうが、その旦那や家庭の全て、状況や今までの生活を棄てるほどは愛してない、というラインが。



テレビで、ある女性のエピソードを聞く。

「お父さん、私美容師の学校に通いたいの」

「自分で学費を稼いで行くなら好きにしろ」

そう言われ考えてみたら、そこまでは美容師になりたいわけではないので方向転換し、なんて話。


音楽科の高校に入り、音楽ではない道へ方向転換する人も少なからずいたりします。学んでみたら、違うかなとか、ついていけないと思ったと。若い時はやり直しもきくので、早い段階での転換なら全面的には否定しきれないものです。積極的に肯定もしませんが。

ただ、音楽大学まで入ってからの転換は、学費含めもったいない感は否めない。

私立なら、生活費も学費も全部自分でなんてのは不可能な話。ただ例えば

親 「学費と家賃だけは払ってやるから、後は自分でなんとかしろ」

って学生は何気にいたりする。場合によっては家賃も自分で。

もし親に 「音大に行って勉強したい」 って打ち明けた時

「一般大学に行くなら全部払うが、音大なら……」

と上記の条件が出てきた時、それでも行きたい、そうしてでも行くと判断すればそれは素晴らしい情熱だし、かくありたい判断だ。しかし、


「そこまでして行きたいというわけではない」


と思うなら、これも音大に来るべきかどうかの、ひとつのバロメーターなのでしょう。親も、本当に有言実行の人もいれば 「そこまで行きたいなら応援してやる」 と払ってくれる場合もあるでしょう。


いずれにせよ、必要な心持ちです。音楽は素晴らしいものだけど、学びの道は険しく厳しいし、人間関係の勉強も何気に激しい。それを越えて、音楽の真実を身につけるには絶対宿ってなければならないもの、できなければならない判断なのだと思います。


N響定期、初日。

posted by take at 17:39| 活動報告