2015年09月25日

インテリジェンス


来沖している79歳の現役トロンボーン奏者、宗清 洋さんと飲む。体調のこともあり「少しだけ」 とおっしゃっていたらしいのですがなんのなんの。4時間に渡るトロンボーントークに圧倒されっぱなしでした。

宗清さんは、関西のビックバンド、アロージャズオーケストラで現在もリードトロンボーン奏者として、年間相当数のステージをこなすバリバリのプレイヤー。キャリアは、昭和30年辺りからスタートしており、日本のジャズシーンをほとんど見つめてきている印象。そのお話は、奥行きありまくりで

「しにヤベッ!」

てな感じでした。(訳・チョーヤバい。沖縄と渋谷のハイブリッドワード)


先日のソノーレの世界観から続いていますが、更に御高齢。しかしそのトロンボーンと音楽に対する情熱には、脱帽以外の言葉が見つかりません。

好奇心と探求心は枯渇しないようで、コンディション維持の意味合いもあるというご自身がされる個人レッスンの内容が、極めて今の僕のレッスンと似ていたこと、若いときと現在の状況や気持ちの在り方が、何人かの先達から聞いたことと、やはり同じだったことが驚きと共に新鮮だった。

言葉のひとつひとつは、きれいに府に落ちるもので、音楽に対する憧れの根っこ、トロンボーンと共に生きる喜び、その高い質と魅力の強さは、素敵なお話のあちこちにコーティングされていた。


ふと、ある意味での 『インテリジェンス』を感じました。


私たち楽器をやる人間というのは、それがハッタリでも真でも、インテリジェンスを醸すような資質をもってなくては駄目なのかな、と思いました。

トロンボーンと音楽の話しかしていないわけで、他の様々な知識や価値観を披露するということではありません。それがオタッキーや音楽バカのテイストであったとしても、社会や長い人生の流れとの繋がり方が知的に感じられ、その根底にある憧れと真摯、そして謙虚でありながら本能が一途に音楽を求めていることがわかる言葉の数々に、なんだか知性を感じたからです。


「50歳ですか。まだまだあ、これからですよ!!」


宗清さんが言うからそらそうだ。そんな言葉にすら、知的な裏付けが見え隠れする。

沖縄の夜自体が未来の希望へと流れていく。見事で立派な生きざまが、そんな素敵な時間にしてくれました。


沖縄県芸、レッスン。

posted by take at 18:38| 活動報告

2015年09月24日

お年頃


沖縄に来ました。今年度四回目。学生たちは四人中三人が、八月、合宿に来たり関東にいたりしたので、久しぶり感は薄い。あと一人の女子は、東京でインターンシップに励んでいたそうで、発言内容が大人っぽくなっていた。

A「IT関連、質疑応答」

みんな 「おおお〜〜っ」


スタートはいきなりおさらい会。トランペットの先生にも聞いていただき、講評をもらう。 何の曲をやるのか聞かずに会は始まった。

ニューオリンズ、そしてギルマンが続く。 そして無防備な僕の心と耳が、三人目の曲の前奏が始まった瞬間

“ググッ”

ともっていかれてしまった。

ヘンデルのヘ短調の協奏曲

「ああっ……や、やっぱり綺麗だ。しかも切ない」


飛行機の中で聴いた 『あの素晴らしい愛をもう一度』 に目を細め、夕べ飲み屋でかかった 『あいたい』 でハイボール飲む手を止め泣きそうになり、ジパングで出版にこぎつけた 『未来へ』 を思いだし、ウエットになった心が、音楽と共に生きる幸せに歓びを感じる。

最近、そんななんですよね。

50歳、そんな年頃なんですかね。


沖縄県芸、レッスン。

posted by take at 15:28| 活動報告

2015年09月23日

お辞儀


ANAの機内。

「……なんなりと客室乗務員にお訊ねください」

のアナウンスと共に、通路に立つ客室乗務員の方々がお辞儀をします。

それに応えて、僕もお辞儀をしてたりする。

まあ丁寧っちゃあ丁寧なんだが、客観的に見ると可笑しいでしょうね。客室乗務員の方も、頭上げたら乗客がお辞儀してると、もう一回お辞儀して、ぺこぺこ合戦になるかもしれない。


先日韓流ドラマの中で、主人公が携帯電話で話しながら、

「コマスミダ」

と言いながら、何度も何度も頭をさげていた。

“ほぅ、日本人だけの専売特許じゃないんだ”

と思った。かつて、電話ボックスの中、公衆電話の前で何度も頭を下げるシーンは、日本人の自虐ネタとしてよく語られていた。

ヨーロッパではあり得ない感じ。というか、オペラなんか観に行って、長い休憩時間、社交的にワインを飲みながら談笑する集団の中で、日本人はすぐわかる。なぜなら、常にお辞儀をしてるのは私たちだけだから。これは相づちも含まれてます。


ブロカートのコンサートのアンケート。大抵

「終演時、コンマスだけでなく、オーケストラ全員が頭を下げるべきだ」

という意見があります。日本のプロのオケでは、限られたいくつかの楽団のみ全員でお辞儀しています。

これは、習慣、慣例としては両方が許容されているのでしょう。お辞儀するもんだ、でスタートすれば躊躇なくするし、僕はしない方で始まったから、するオーケストラへエキストラに行った時には、最初ぎこちなかった。


N響では、ほとんどの人はお辞儀しませんが、自主的にしている人もちらほらいます。僕は周りとあまりに違う動きをするのは抵抗があるので、軽く頭を下げる程度の動き。自然とそうするようになりました。

ただこれは、慣習としてや習慣になってでしているのではなく、僕なりの感謝の気持ちがしている地味な動きです。

ここ数年、人生観が変わってからは、客席からの拍手が以前と違って聞こえています。本当にありがたいものだと感じ、心していただいています。


地味なお辞儀も、あまり気にとめず受け取っていたけたら幸いです。


遠足。

posted by take at 12:45| 活動報告

2015年09月22日

夢とユーモア


ホルンクラブ アンサンブルソノーレのコンサートが、大成功の花火と共に終了しました。

僕はトロンボーンを吹くわけではなく、司会と指揮。例年と違ったのは、70才以上の四人のソリストでのヒューブラーのコンチェルト、そのオーケストラ伴奏の指揮もやらせてもらったこと。そんないつもと違う特別な日は、早朝のリハーサルから打ち上げの最期まで、本当に幸せいっぱいの時間となりました。

本業のトロンボーンではなく、口や腕で参加できるのは、極めて仕事感のない “お手伝いテイスト”。なんらかお役に立てているなら、こんなに嬉しいことはない。

そして今回は、ソノーレがソノーレである、他のアンサンブル団体とは一線を画している

「60代は若僧」

というパーソナルを存分に表現すべく企画されたことが、多くの賛同者(オーケストラは全員手弁当だった)の親切な心持ちと共に、歴史的瞬間ともいえる感動を生み出しました。

客席はいっぱいに。60才を越えたプロのホルンプレイヤーの顔もたくさん見える。ただ先輩同業者を応援にきただけでなく、様々定年を迎え新しい活動をしている人たちが、ひとつの指標になるべき瞬間の証人になろうとしているのがわかる。

それはそのまま、ステージ上の若い(ソリストたちよりは)プレイヤー全員、ホルニスト、オーケストラの人たち、そして僕にとっても同じで、いずれ自分にも訪れるであろう年代の、輝かしき演奏姿を、本能が確認したがっていた。


結果は、新しい時代の幕開け、その扉が開いた瞬間となりました。


面会にきた長年の友人たちは、心からの賛辞を先達たちに表明し、尊敬と、もらえた未来への活力に対する謝辞を惜しまなかった。

そして打ち上げまで含め、笑顔と元気をふりまき、誰よりも感謝を表現していたのは、ソリストの四人だった。

代表者の74才、和田さんは

「本当に幸せな時間でした。これはソノーレのメンバー全員が経験すべきこと。ホルンアンサンブル版もオケ版も楽譜はあるから、みんなでやろう」

と幸福のお裾分けを宣言。

人格という光が、まばゆいばかりに輝き、参加者全員の心を照らす。こうやって、学びと敬意は受け継がれていく。


20代の若者から70代まで。幅広い世代が全員充実感あふれる喜びとともに活動できるのは、何より正しくかつ謙虚に導く年長者と、尊敬とフレンドリーテイストでついていく若い世代、そして真ん中で、しっかりと大事なことを、賢くバランス良く表現する世代、全ての人の力だと感じました。

そこには常に、夢とユーモアがあり、私たちコミュニティで生きる人間のお手本、理想郷ような空気が満ちているのでした。


ホルンクラブ アンサンブルソノーレ、本番。

posted by take at 19:46| 活動報告

2015年09月21日

強い朗報


動員述べ20万8000人、経済効果93億円、臨時列車在来線26本、東北新幹線1本、シャトルバス2500台、タクシー待ち400〜500人、タクシー400〜500台、6000円が3万円代なんていうホテル狂騒曲………

凄い数字。嵐の仙台での復興支援コンサート。アイドルの実力の凄さを感じると共に、この時代の日本に圧倒的な文化の力があり、想像以上の人が関与し、結果復興への意識と力になることに大きな喜びを感じます。


もうひとつの、ニュースインパクト!!

ラグビーワールドカップ。日本が24年ぶりに勝利しましたね。強豪南アフリカを破るという凄い話。ワールドカップの歴史としては二勝目だそう。テレビの中、あちこちのスタジオで、キャスターたちの興奮が溢れている。そんな姿を見ているだけで、こちら側も快挙に対する喜びと興奮がクレッシェンドしていきます。

怒られるのを承知で、予想外、今まで興味深くはなかったという言葉を使う。もちろん、ラグビーに携わる人、ファンは、長い間見つめてきたのだろう。しかしそうではない僕は、勝手に

“日本のラグビーのレベルはさほどではない”

“力勝負の割合が大きい競技、日本人には……”

という印象をもっていました。それはそのまま、他の目立つスポーツより興味にならない要因になっていた。細かいルールもあまりわかっていない。

それでも、今回の勝利は歓迎中の大歓迎。ある意味、必要事項として今後への期待がすこぶる強くなりました。本当に勝手ですみません。

ただ、にわかファンになろうとしているわけではありません。 ご存知の方も多いでしょう。2019年には日本でラグビーワールドカップが開催されます。その会場のひとつが、岩手県釜石市。16,187人収用予定の『釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)』を避難所跡地に新設しての招致になります。

実はこのワールドカップに間に合わせるように、交通網が整備される予定。震災復興道路の整備によるアクセス向上を目指し、2018年には釜石市と仙台市が2時間強で結ばれることになります。そして同時期までのJR山田線の完全復旧計画も始まりました。これは三陸鉄道と1本につながることになります。

実は、このことは私たちが携わる槌音プロジェクトにも少なからず影響がある話題なのです。


“釜石がラグビー”というのは興味をもってこなかった僕でもイメージしやすい。日本選手権七連覇した新日鉄釜石のチーム。そして監督兼選手だった松尾雄治さんの存在は、数少ないとはいえ知り得る情報。

ただ最初に、復興へのプランとして “ラグビーの” ワールドカップと聞いた時、正直

「そっかあ、ラグビーかあ……」

と思ってしまったのです。日本人がどれくらい応援するのだろうか。どれくらい人が集まるのだろうか。それが、本当にうまく復興への拍車になるのだろうか。

「日本が強いスポーツのワールドカップならなあ。でもそれなら釜石には来ないか……」

と、本当に失礼ながら思っていたのです。

今回の勝利は、コーチの存在や身体の改造計画の成果とのこと。まぐれなんかではなく実力だと感じられる話。 この強さが新しい結果を生み、私たちの、日本国民のラグビーへの興味となれば、そのまま復興への意識や直接的な力となる可能性があるのです。


ラグビー日本チーム、そして嵐の皆さん。皆さんの活躍に、大いなる期待と感謝を申し上げます。


ホルンアンサンブル練習。レッスン。

posted by take at 20:49| 活動報告